身体介護の中でも行う頻度が多く、さらに生命維持だけでなくQOLのためにもとても重要なケアといえば食事介助。では、なぜ高齢者にとって食事介助は必要なのでしょうか。
まずは筋力の低下により、箸やスプーンを上手に扱えなくなるためです。それだけでなくその他の食事をするための動作もスムーズに行えなくなってきます。
視力の低下もひとりで食事を摂るのを難しくさせてしまいます。食事を摂るための少し手助けが必要となるわけです。
認知機能の低下も影響します。認知症のため食事を摂るのを忘れてしまうことや逆に何度も食事を摂ってしまうことも。味覚に変化があらわれてきてしまったり空腹感を感じなくなって食事を摂るのを怠ってしまうこともあります。食事の時間、時刻または回数を管理する介護者が必要となります。
高齢になるにつれて、食べ物を咀嚼する力や嚥下機能が低下してきます。誤嚥してしまうと、そこから肺炎を起こす可能性があり命に関わってくることも。嚥下機能が低下した人にはその人に合った硬さや形状の食事が必要になってきます。また、この嚥下機能や咀嚼機能が低下してしまうと、食事を摂るのにも今までより労力を使うため疲れてしまい、食事を摂る楽しみや意欲が減少してしまうことも。
それでは栄養の面でも心配ですし、食事の楽しみが消えてしまうことは人にとってとても悲しく辛いことです。それでも、介護者の工夫次第で食事は楽しく美味しいものに変えることは可能です。1人1人の状況に応じた食事の介助を行うことは、その人の生活の質の向上へも影響があるということがわかります。